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麹研究員:効果も大きさも未知数、新しい発見が楽しみ

源麹研究所 麹研究員 日置久美子さん

日置 久美子さん
源麹研究所(霧島市)

今、世間では空前の「甘酒」ブームだ。栄養満点、“飲む点滴”ともいわれる甘酒は「麹(こうじ)」を使って作ることが多い。食品を発酵させるときに欠かせない麹は、みそやしょうゆ、焼酎などを製造する際に必要な、いわゆるカビの一種。アレルギーや腸内環境の改善、血糖値を下げるといった研究データもある。

白衣と作業着、麹と奮闘の日々

鹿児島空港そばの「バレルバレープラハ&GEN」は、焼酎用種麹生産シェア日本一の河内源一郎商店グループが手掛ける麹のテーマパーク。敷地内にある研究室には、パソコンやデータ分析のための機器などが所狭しと並ぶ。研究室長として麹と向き合う日々。白衣でパソコンの画面とにらめっこ、グラフを読み取る姿がクールな印象だが「作業着で豚の相手をしていることも多いんですよ」と笑う。動物飼育試験のために飼っている豚や鶏の状態をチェック。「元気でいるか、エサをちゃんと食べているか。休日も気になって見に来てしまいます」

麹を使用した飼料開発のための飼育試験では、グループ分けした豚にそれぞれ違うエサを与え、食べたエサの量と体重の変化を分析する。麹を食べた豚は臭みがなく、ゆでたときにあくが出ない。「少ないエサで大きくおいしく育てば、農家の経営にとってメリット。期待通りの結果が出たときはうれしいですね」

食品会社などを経て現職に。麹と出合った。会社が大学院への通学をサポートし、働きながら農学博士の学位を取得した。「すぐに結果が出たり数年かかったり…結果が出ないときの方が多いけれど、出ない理由が分かれば無駄ではない」と、前向きだ。

多分野応用の研究で受賞

今年、麹の畜産分野への応用やサプリメントとしての利用といった「麹の醸造外利用に関する研究」が認められ、地域の伝統発酵産業振興に貢献した研究者に贈られる「蟹江松雄賞」を受賞。表彰式で酒造会社の社員から「焼酎かすを用いてもっと良い飼料がができないか」という声を聞いた。「いろんな可能性が広がるなと思いました」。麹の機能性の研究はまだまだ途中段階で、その効果の大きさも未知数。「分からないことがたくさんあるから見つけていくのが楽しみです」

2017年「蟹江松雄賞」を受賞。「表彰式では、一人だけ豚の話ばっかりしていました(笑)」

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日置 久美子(ひおき くみこ)さん
プロフィール

霧島市生まれ。加治木高校卒業後、宮崎大学農学部に進学。動物用飼料添加物・動物用医薬品会社、食品会社勤務を経て2002年に源麹研究所へ入社。2012年から鹿児島大学大学院に進み、農学博士の学位を取得。源麹研究所研究室長。

今後の目標

麹を通じて社会の役に立ちたいです。企業で研究をしている以上は利益につながらないといけない。お客様のニーズに合った飼料やサプリメントを作りたいです。

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鹿児島で働く女性たちを紹介しているFelia!の『クローズアップ』。いろいろな職場で輝いている彼女たちの姿や、これまでの足取りをご紹介します。

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