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亡き父名義の預金。自分の相続分だけでも下せない??② | 弁護士・牧瀬に学ぶ『法律Q&A』

亡き父名義の預金イメージ
Q

亡くなった父名義の預金を下ろそうとしたら、遺言書がない場合は相続人全員の同意が必要と言われました。自分の相続分だけでも下ろせないのでしょうか。

A

相続人全員による遺産分割協議が必要です。自分の分だけは下ろせません。

以前、全く同じご質問に対して、「預金は名義人の死亡により法定相続分に応じて分割されるため遺産分割の対象とはならず、法律上は各相続人が単独で自分の法定相続分の預金を下ろすことができる」とお答えしたことがあります。
2014.12.10公開/弁護士・牧瀬に学ぶ『法律Q&A』

これは、預金は機械的に分割され遺産分割の対象とならない(ただし、相続人の合意で対象にできる)とする、最高裁の判例に従ったものでした。しかし、最近になって、最高裁判所は、上記の判例を変更し、預金は遺産分割の対象になるとしました。

このような変更がなされた理由は、相続人間の公平性確保にあります。例えば、一人の相続人が多額の生前贈与を受けていた場合でも、以前の判例の考え方では、預金は機械的に分割されてしまうことになります。これでは、生前贈与の有無や額といった生前の事情を全く考慮することができず、相続人間に不公平が生じてしまっていたのです。

今後は、預金についても遺産分割の対象となりますから、遺産分割協議が成立するか、裁判所での調停・審判手続きを経なければ、預金の払戻しはできません。そのかわり預金の公平な分け方について、遺産分割協議や裁判所の審判・調停の中で十分に考慮することができるようになったといえます。

もっとも、銀行などの金融機関は、判例変更の前から相続人単独での払い戻しには事実上応じておらず、金融機関の対応に大きな変化はありません。したがって、対策も以前と同じです。ご自分の預金を巡って相続人間のトラブルが予想される場合には、遺言書を残す、生命保険・信託を利用するなどの生前対策が必要となります。

法律Q&A

教えてくれた人

弁護士法人あさひ法律事務所 鹿児島事務所 牧瀬 祥一郎 先生

弁護士法人あさひ法律事務所
鹿児島事務所

牧瀬 祥一郎 先生

  • 鹿児島市山之口町12-14
     太陽生命鹿児島ビル4F
  • TEL:099-216-5010
鹿児島県鹿児島市山之口町12-14

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【URL】http://asahi-lawoffice.net/

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