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養豚[サドルバック種]、豚肉加工・販売:鹿屋、鹿児島にもっとファンを増やしたい

ふくどめ小牧場(サドルバック種)養豚 福留智子さん

福留 智子さん
ふくどめ小牧場(鹿屋市)

鹿屋市南部、山林と畑が広がる一帯にある「ふくどめ小牧場」の直売所。雨模様の平日にもかかわらず、ひっきりなしに車がやってくる。

お目当ては「日本でここだけ」という希少な豚の精肉やドイツ仕込みのハム、ソーセージ。「あれ、来たの?」。敬語はなし。顔なじみの客と話が弾む。

ショーケースに並ぶさまざまなドイツハム、ソーセージ

家族経営の牧場の取引先には、日本でも指折りの高級レストランの名が並び、雑誌などでもさかんに取り上げられている。「うちのサドルバック種はジューシーで脂身が多い“幻”といわれる豚。ヨーロッパで修業した兄が惚れ込んで米国で探しだし、2006年に導入しました。それと白豚を掛け合わせた豚も『幸福豚』として販売しています」。両親、二人の兄とともに切り盛りする牧場の、いわば看板娘だ。

こだわりの豚 生産直売

物心ついた時から、養豚場が遊び場だった。掃除やえさやり、家事などの手伝いを「当たり前に」しながら育つ。父公明さんは「東京の大学に行くより、海外へ」という方針。兄2人は養豚を学ぶため次々と海外に留学した。自身も「とにかく語学を身に付けるように」という父の勧めで英国、続いて中国に渡る。

中国では、スカウトされ日系のIT企業に。ちょうど経済成長真っただ中。工場のインフラ整備のため、現地技術者との調整役を務めた。「サッカー場が何面も取れるような巨大工場を、ヘルメットを被って歩き回っていました」とビジネスの一線を渡った経験を持つ。

その間、実家では長兄が養豚、ドイツで国家資格の食肉マイスターを取得した次兄が食肉加工を本格化。養豚場に隣接して、加工場、直販所を設け、ハンバーグや加工品を使ったランチを出すカフェも併設した。「自分たちで育てた豚を、自分たちの手で直接お客さんに届けたい」という家族の思いは順調に形になっていた。

食卓に幸せを 家族一丸

その一方、注文は相変わらず電話、ファクスで受ける状況で、パソコンも取引データの蓄積もない。「私ができることはいっぱいあるな。親孝行のため、と思って」2年前、鹿屋に戻って経営に加わった。

きょうだいの国際経験を生かして輸出なども可能なようだが、「規模拡大は考えていません」ときっぱり。「小」牧場の名には「手の届く範囲で、1頭1頭大事に育てたい」「食卓に小さな幸せを」との思いが込められている。「本場ドイツの味を知らない人はいない、というくらい、地元の鹿屋、鹿児島の中でもっとファンを増やしたい」と目標を掲げる。

見学用の放牧場。サドルバック種は、前足から肩までの白い帯が特徴。

耳に揺れるのは豚をかたどったピアス、胸にも豚マークのバッジ。「うちの豚は毎朝、出勤すると寄って来るんです。めちゃめちゃかわいい」と目を細めた。

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福留 智子(ふくどめ ともこ)さん
プロフィール

鹿屋市生まれ。鹿屋女子高校卒業後、イギリス南部のボーンマス、中国大連に語学留学。中国では現地ホテル勤務など経て日系IT企業に勤め、27歳で東京に転勤。2014年、帰鹿。ふくどめ小牧場役員。

今これに夢中です
「豚の小物作り」

サドルバック種を刺しゅうしたオリジナルの生地を使って、ブローチやヘアゴムなどのアクセサリーを手作りしています。もともと豚グッズが大好きで部屋も豚だらけです。

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鹿児島で働く女性たちを紹介しているFelia!の『クローズアップ』。いろいろな職場で輝いている彼女たちの姿や、これまでの足取りをご紹介します。

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