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要約筆記者/心のバリアフリーを

要約筆記者・池端てるみさん

池端てるみさん
全国要約筆記問題研究会鹿児島県支部長、鹿児島市登録要約筆記者の会会長(鹿児島市)

耳が不自由な人をフォローするため、話を分かりやすくまとめて書き出す要約筆記。マンツーマンで個人に寄り添う依頼から、不特定多数を対象とする講演会など幅広く活動している。

分かりやすく、リアルに。話し手の個性を伝える

「聴覚障害=手話のイメージを持つ人が多いですが、80%ほどは手話ができません」。ほとんどは、突発性疾患や薬の副作用、高齢化による“中途失聴者・難聴者”。だからこそ、要約筆記が必要とされる。しかし、鹿児島市の要約筆記者は20人程度と少なく、高齢化も進む。依頼時間や収入が安定せず、若い人が就きにくいという。

8月に開かれた要約筆記の勉強会。3人の受講者がとある講演会の音声に耳を傾け、自ら要約した文面にかじりついていた。「余計な話まで書いてしまった」と落胆する女性に、講師の池端さんは「うんうん」とゆっくりとうなずく。「そこを気をつけるだけで良くなりますよ」と背中を押した。

マンツーマンで寄り添う要約筆記「ノートテイク」

「話し手の個性を表現することも大切」。特徴的な話し言葉や、「ボロボロになった」などの感情表現を文字にして表すことで文面に立体感を持たせる。

「じゃっで」など接続詞や語尾に方言を用いることで「鹿児島弁が懐かしい」と喜ばれたこともあった。「うれしい反応はやりがいにつながります」。

「役に立ちたい」―きっかけは身近に

転機は40代。夫の紹介で聴覚障害のある友人と知り合い、役に立ちたいと思った。

今ではセミナーや観光地の字幕化に関する助言を行ったりと、鹿児島の要約筆記を支える立場。「伝わらないと諦めずに、歩み寄ってほしい」と、心のバリアフリーを呼びかける。「“もういい”と置いてきぼりにされるのは一番つらい」。「口をしっかりと開き、目を見て、身振り手振りを加えるだけで伝わることもあります」。

応援してくれた夫は昨年他界したが、「与えてくれた仕事との出合いをこれからも大切にしていきたい」。思いを新たに力強く前を向く。

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池端てるみさん
プロフィール

鹿児島市出身。一般事務の経験を経て、1979年結婚。夫の仕事で鹿児島県内各地を転勤、2児を出産。子育てが一段落したのを機に、要約筆記奉仕員講座を受講しながら、1996年、事務職にて仕事復帰、養護老人ホームで介護助手など経験。2012年、全国統一要約筆記者認定試験に合格し、現職。全国要約筆記問題研究会ブロック長・理事を経て、全国要約筆記問題研究会鹿児島県支部長、鹿児島市登録要約筆記者の会会長を務める。

今これに夢中です
「ラジオ」

聴きながら「私だったらこう要約する」といつも考えるのがクセになっています。知識を増やすため、選り好みをしないで何でも聴くようにしています。

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