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飲食店経営/父の背中を追い名店の味を守る

上原由美さん

上原 由美さん
天ぷら新橋(鹿児島市)

「天ぷら新橋」の名物といえば、巨大なかき揚げが載った「別製かき揚丼」(1,600円)。天保2年創業の名店「橋善」(東京都)で先代の父が修行をし、鹿児島にその味を持ち込んだ。

「返す時にこんもりと膨らます技が必要」と、たっぷりのタカエビにホタテ、三つ葉の入った種を油の中で形成。ご飯の上に載せ、特製の丼つゆをかけると、ジューッと湯気が上がり食欲をかき立てる。

 

父の背中追う 自ら決めた道

父の病気をきっかけに、店を継ぎ20年ほどになる。当初は思い通りに出来ず、揚げ直すことも多々あった。

しかし、思い出すのは7年間一緒に仕事をし、14年前に他界した、優しく強い父の姿。「団体予約が入って焦っていた時、病院からコルセットを巻いた父が駆け付けてくれた事もあった」と尊敬する背中を追う。

時には客からの厳しい言葉もあったが、今では「橋善」の6代目からも「おいしい」とお墨付きをもらう。「東京の味を知る人が来ると緊張しますが、懐かしいと喜んでくださる人も」。

支えるのは、父の代から接客を務める母と叔母、いつも励ましてくれる姉の存在。食べやすい小盛りや野菜入りのかき揚げ丼を作るなど女性同士で知恵を絞る。

「自分で決めた道なので後悔はない」。額に汗しながら今日も油鍋と向き合う。

経営者と母の顔 家族と名店の味守る

学生時代は音楽を専攻し、1日8時間ほどピアノやチェロを練習していた。「音楽家を夢見た時もありましたが、一番の夢は結婚だったかも」とはにかむ。

以前、魚市場で働いていた夫は飲食店事情を知る良き理解者。2人の娘は18と19歳になり、一緒にメークや彼氏の話をするほど仲が良い。目を潤ませ「子どもが小さい時は、2人を置いて仕事に行くのがつらかった」。優しい母の顔があった。

常連やサラリーマンに限らず、丼の“インスタ映え”を求めて訪れる若者も増えた。「常連さん同士が実は知り合いだったり、カップルが結婚して子どもを連れてきたりと、人との触れ合いが楽しい仕事」。

半年前からは経営セミナーにも通うようになり「店を続けていくことが一番の目標」。家族と名店の味を守る経営者として、気持ちを引き締めた。

 

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上原 由美(うえはら・ゆみ)さん
プロフィール

鹿児島市生まれ。92年洗足学園短期大学音楽科(神奈川県)卒業。帰鹿し、MBC学園にて受付・事務を経験。98年から父の店「天ぷら新橋」を継ぐ。

今これに夢中です
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娘に教えてもらって以来、愛犬の写真をアップするのに夢中。個人と店のアカウントを更新中です。

Instagram/天ぷら新橋

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