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プロボクサー/感謝の気持ちとぶれない信念でつかんだ世界チャンピオン

吉田実代さん

撮影協力:ナインカウントボクシングジム(鹿児島市加治屋町)

吉田 実代さん
EBISU K’s BOX(東京都)

世界ボクシング機構(WBO)女子スーパーフライ級で王者に輝いたのは今年6月のこと。「まだ実感は湧かない。少しは応援してくれた人たちに恩返しができたかな」。

 

マスコミ対応や営業活動に追われ、睡眠時間は3時間ほどの日もある。それでもファンに囲まれると、三つのチャンピオンベルトを惜しみなく披露し、写真撮影に気軽に応じる。

「日本の女子ボクシングは、男子と比べて社会的地位も認知度も低い。広報役として積極的に魅力を伝えていけたら」とおごらない、はつらつとした笑顔がまぶしい。

ブランク乗り越え つかんだベルト

25歳の時に総合格闘技から転向した。「使えるのは腕だけ。ボクシングはメンタルが試されるごまかしの利かないスポーツ。そこが楽しい」

しかし、デビュー戦を勝利で飾った直後の妊娠に離婚。周りは期待から一転、風当たりは強くなった。一度は引退を決めたものの、鍛え抜いた体がうずく。少しずつ周りの気持ちを動かし、2年間のブランクを経てこぎ着けた復帰戦。「シングルマザー」と会見で公言し、吹っ切れた。

「負けたらそこで終わり。応援してくれる人たちのためには勝つ道しかない」。前を向いた先には、日本女子バンダム級の初代王座、そして、世界女王の称号が待っていた。

娘と

令和初の女子世界チャンピオンに。娘と勝利を分かち合う

4歳になったまな娘は一番の理解者。優しい母の顔で、「実衣菜(娘)は大人顔負けのボクシングマニア。保育園ではママはチャンピオンと自慢しているみたい」。世界戦の前には「あーちゃん(祖母)の家に行くから大丈夫」と忙しい母を気遣い、成長した姿は試合に挑む背中を押した。

子育てのモットーは「大人と同じように何でも話をすること」。

異国で見つけた 格闘技という天職

子どもの頃からソフトボールにダンスと活躍し、運動神経には自信があった。20歳を迎え、「一花咲かせたい」と懸けた道は格闘技留学。

外見は流行好きなギャル、格闘技の経験もなく、英語も話せない中、ハワイという異国の地で初日からスパーリングに入った。「負けん気だけは人一倍。ボコボコにされても打ち返した。痛みの中にも楽しさがあって、自分に合っていると思った」

“人生は一度きり”と教えてくれたのは、引退を考えた時もずっと味方でいてくれた亡きコーチ。

「ボクシングはチーム戦。リングの外で支えてくれる人たちがいるから戦える」と周りへの感謝を忘れない。「好きだと思うことには挑戦すること。自分で決めた道ならつらいことも乗り越えられるし、後悔しない」。ぶれない信念の下、大好きなボクシングにこれからも人生を懸ける。

 

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吉田 実代(よしだ・みよ)さん
プロフィール

鹿児島市生まれ。2008年格闘技留学のため単身ハワイへ(20歳)。同年10月に上京しキックボクシングの大会に出場。09年総合格闘技プロデビュー。14年プロボクサーデビュー(25歳)。15年出産、離婚。17年日本女子バンダム級の初代王座獲得、18年、19年と防衛。18年東洋太平洋バンダム級の王座獲得、同年防衛。19年世界ボクシング機構(WBO)女子スーパーフライ級で王座を獲得し、現在に至る。沖永良部島観光親善大使。

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