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落語家/夢は笑点!鹿児島初の女流落語家として360日寄席で笑いを届ける

三遊亭あら馬

三遊亭あら馬さん
落語家(東京都・落語芸術協会)

「ドス差して行けよ」「何でドスと言うんですか」「うるせえな。ドッと刺して、スッて抜くからだ」

昨年末、鹿児島市で開いた地元勉強会(寄席)。滑稽話「鈴ケ森」で演じた新米泥棒と頭の掛け合いに、どっと会場が沸いた。

 

病気をきっかけに39歳で落語家の道へ

13人いる鹿児島出身落語家で、史上初の女流落語家だ。人前でしゃべる仕事が好きで、学生時代から地元タレントとして活動、「東京で一旗揚げる」と宣言し上京した。

アナウンサーや女優を経験したが、何かが違う。フリーに転身、2人の娘に恵まれ、「ママが天職かな」と感じる平凡な毎日を変えたのが、カルチャースクールの落語教室。「誰にも縛られず自由。こんな気持ちいいものはない。水を得た魚だった」

社会人落語家「薩摩亭亜ら馬」の名で活動する中、転機が訪れた。健診でがんの疑いが指摘されたのだ(後に再検査で陰性)。

家族に「ママいつ死ぬか分からない。1回切りの人生、自由に生きたい」と打ち明け、39歳で入門した。

三遊亭あら馬寄席中

顔芸で爆笑を誘う

足を踏み入れたのは、閉鎖的な縦社会。1年目はお茶出ししかできず「空気になれ」「笑うな」など理不尽なルールに縛られる。だがそんなことに動じないのが最年長前座。「香盤(落語家の序列)は芸を学ぶにはいいシステム。気遣いを学ぶ場だった」と割とすんなり受け入れた。

360日寄席の生活 娘たちが一番の応援団

日中はPTAや講演をこなし、稽古は専ら「ママチャリの上。端から見たら怖いけど一番集中できる」と豪快に笑う。夕方、新宿末廣亭や浅草演芸ホールなど演芸場へ出勤し「360日寄席に出る」生活だが、娘たちが「いつか笑点に出てね」と笑顔で見送ってくれるから苦にならない。

前座修業も3年目。ネタ帳を書いたり他の前座に指示できる「立前座」を任されることも増え、二ツ目への昇進が見えてきた。

何度も壁にぶつかりながらやっと見つけた天職に「このまま細々と笑いを届けたい。大きな箱ではなく、顔を見て突っ込めるぐらいの距離がいい」と無心に芸を磨く。

 

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三遊亭あら馬(さんゆうてい・あらま)さん
プロフィール

本名・桐野亜希子。鹿児島市生まれ。武岡台高校、鹿児島大学工学部卒業。ミス鹿児島ファイナリスト。会社員、フリーアナウンサー、女優を経験。社会人落語家を経て2017年1月、三遊亭とん馬に弟子入りし現在、落語芸術協会所属の前座。杉並区立小学校PTA連合協議会会長。

今これに夢中です
PTA改革

娘の小学校の会長を3年務め、今は区立42小学校のPTAを束ねる連合協議会会長として組織改革を断行中。怖いもの知らずで正しいと思ったことを突き進む性格なので、向いている。学校寄席を積極的に導入、親向けの公演も喜ばれている。

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