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鹿児島で広がる「ドライブスルー de テイクアウト」に潜入した

笑顔で商品を渡す店員さん
車に乗ったままで弁当や総菜を買える「ドライブスルー」方式のテイクアウト商品販売が、県内に広がっています。新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けた外出自粛が続く中、飲食店が合同販売会を開く取り組み。霧島市で開催されると聞き、早速、現場に行ってきました。「いま、できること~#鹿児島コロナ防衛隊」の3回目は、マスクをしていても、心からの笑顔は誰かに届くというお話。

4月24日午後3時。霧島市役所前お祭り広場駐車場には、車が長蛇の列をつくった。その数30台。目指すは、10店舗が軒を連ねる「ドライブスルーin霧島市」だ。車列の先頭で、赤い誘導棒を手にしている男性が、このイベントを立ち上げた発起人のひとり、井上正樹さん(40歳)だ。

「曽於市の前例を見て確かな手応え」

「時間をかければ、もっといいものができたとは思います。でも、時間は待ってくれない」。3月、そして、4月と、飲食店の客足はみるみる減っていく。そんなとき、曽於市で「ドライブスルー」方式のテイクアウト販売会があると聞いた。仲間を誘い視察に行った。

誘導棒を手に車を案内する井上正樹さん

誘導棒を手に車を案内する井上正樹さん

「これだ」。客が車から降りないことで「3密(密閉、密集、密接)」を回避できる。さまざまな飲食店が合同販売することで相乗効果を得られる。確実な手応えを得た。やると決めたら、早かった。霧島青年会議所(JC)の副理事長を務める井上さんは、霧島商工会議所・商工会の両青年部の仲間に開催を呼び掛けた。「実行委員会? えっと、正式には立ち上がってませんね(笑)。有志で一気に進めました」

「何人来るか、どれだけ売れるか…」

開催日を24日からの3日間に決め、SNSで正式に告知したのは21日夕方。開催3日前という慌ただしさだった。が、その翌日、知事会見が開かれ、飲食店へ営業自粛を要請する方針が発表される。刻一刻と状況が変わる毎日。やきもきしながら2日後の詳細発表を待った。保健所や県に確認したところ、合同販売会は予定通り開催できることになった。

「ドライブスルーin霧島市」初日は開場直後から長蛇の車列ができた

「ドライブスルーin霧島市」初日は開場直後から長蛇の車列ができた

満足な告知はできていない。「何人来てくれるかも、どれだけ売れるのかも分からない。クレームが来るかもしれない。でも、いま、できることをやるしかない」。折り重なる不安を抱える実行部隊を笑顔にさせたのは、開場直後から並ぶ車、車、車…だった。

「その道のスキルを持った会員ばかりですから」

合同販売会には、さまざまな仕組みがこらされた。スマホで見られるメニュー表も、商品の写真撮影も、各店が掲げる看板も、3団体の会員が手掛けた。霧島市商工会青年部の部長、西谷紀彦さん(39歳)は「その道のスキルを持った会員の集まり。だから、この短時間で開催にこぎつけられたんですよ」と誇らしげだ。

会場に着いたら、QRコードを撮影してメニュー表をゲットする

会場に着いたら、QRコードを撮影してメニュー表をゲットする

「ドライブスルーin霧島市」入り口に掲示された参加店のメニュー

「ドライブスルーin霧島市」入り口に掲示された参加店のメニュー

お気に入りの商品を注文し、手渡しで受け取る

お気に入りの商品を注文し、手渡しで受け取る

手書きのメニュー表が並ぶ「ドライブスルーin霧島市」会場

手書きのメニュー表が並ぶ「ドライブスルーin霧島市」会場

裏方さんは各店舗の売り切れ状況をこまめに確認していく

裏方さんは各店舗の売り切れ状況をこまめに確認していく

客がスマホで見られるメニュー表。売り切れたら即座に表示していく

客がスマホで見られるメニュー表。売り切れたら即座に表示していく

参加10店舗が準備したメニューは弁当や総菜、お菓子、ドリンクなど、合わせて34種類。計900個の商品が並んだ。おかずBOXとミニハンバーガーセットを1時間で完売した「森のごちそうハッピース」(霧島市霧島)の時任暁子さん(34歳)は「どれだけ売れるか分からず仕込みを控えたら、あっという間に売り切れた」。店の売り上げはいま、10分の1ほどに落ち込んでいると言うが、「明日はもっとたくさん準備しなきゃ。今から帰って仕込みます」と笑顔を見せた。

「久々に従業員と『仕事』ができました」

霧島市牧園で焼き肉店を切り盛りする脇元敬さん(50歳)も、用意した焼き肉セットや「黒豚ひつまぶし」などを完売した。「久々に従業員総出で準備をして、『仕事したなぁ』という感じです」と満足げに笑った。温泉街にある焼き肉店は、観光客でにぎわうゴールデンウイークが一年で一番の稼ぎ時だという。「嘆いてばかりじゃ仕方ない」。近くテイクアウトにも取り組むため、準備を進める。

「応援ありがとう」。なじみの客に手を振って応える脇元敬さん

「応援ありがとう」。なじみの客に手を振って応える脇元敬さん

会場では、客が飲食店へマスクを差し入れする光景も見られた。「みんなでがんばろう」。店同士も励まし合った。マスクはしていても、車の中からだとしても、心は伝わり合っていた。

合同販売会は第1弾が4月26日までの午後3時~6時半(売り切れ次第終了)。5月3~5日にも第2弾が予定されている。徒歩での来場はできないので要注意だ。
「ドライブスルーin霧島市」の案内はこちら(霧島市商工会議所青年部Facebook)

 

HP/曽於市の販売会はこちらから(南日本新聞4月15日付掲載記事)

「ドライブスルーin霧島市」の発起人、井上正樹さん(中央)

「ドライブスルーin霧島市」の発起人、井上正樹さん(中央)

 

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【 いま、できること 】#鹿児島コロナ防衛隊

長期化する新型コロナウイルス禍。4月16日には緊急事態宣言が全国に拡大された。日一日、刻一刻と状況が変わっていくなか、それぞれの地域で、たくさんの人が、「いま、できること」を模索している。暮らしの現場で奮闘する姿を追う。

(フェリアWEBチーム、随時掲載)

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