この記事のシリーズSERIES

プレゼント・クーポンPRESENT COUPON

フェリアSNSSOCIAL

ライフスタイル
フェリアフェリア

写真家/カメラの技術よりもアイデアや工夫が大切と教える

写真家・西本喜美子さん

写真家・西本喜美子さん

西本 喜美子さん
(熊本市)

おばあちゃんがゴミ袋に入れられて捨て置かれたり、物干し竿につるされたり。そんな衝撃的な「自撮り写真」が注目された。長男の西本和民さんは広告写真などを手掛けるアートディレクター。和民さん主宰の写真塾「遊美塾」で、課題の「自撮り」に応えたものだった。「私も年だし、捨てられてもしょうがないかな」と自虐的に自らゴミ袋に入り、日干ししていたジャンパーに遊び心で袖を通した。ユーモアあふれる写真は、インターネットや写真展を通してあっという間に評判となった。

ユニークな芸術、感受性で撮る

初めてカメラのシャッターを押したのは72歳のとき。和民さんが自宅に連れてきた写真塾の塾生に「きれいな写真ね」と感心すると「一緒に習おう」と誘われた。

8年前に他界した夫の趣味は風景写真。「塾に通うなら」とカメラを買ってもらい「ボタン(シャッター)を押せば撮れる」と教えられた。「いい写真というのは見た人が何かを感じるもの。カメラの技術よりもアイデアや工夫が大切」と、和民さんは教える。

塾に通い、感性を追究する課題に挑戦しながら被写体の多様な見せ方があることを知った。撮りたいものがあふれ「こんな写真にしたいとの欲をかなえたい」と、パソコンの画像加工の技術も身につけた。「パソコンはいろんなことができるから楽しいよ」。仏壇の横で仏になった姿や、シルバーカーを押して自動車と併走する姿を写し、笑いを誘った。

写真家・西本喜美子「シルバーカーを押して自動車と併走」

シルバーカーを押して自動車と併走する姿を写した作品

たくさんの仲間、長続きの秘訣

最近は「腰が痛いから」と、自宅の8畳ほどの部屋に作ったスタジオで、小物や光を操って独自の世界観を写す。「気が向いたら撮る」とカメラを触らない日も多いが、撮り始めると作業は深夜まで。「欲が多いの。どんなことも若いうちにやってたほうがいいね」

5月下旬、鹿児島市で「遊美塾」が開かれた。「全国の写真展や遊美塾で友だちに会えるのがうれしい」。20~70代の塾生14人とともに、時に身を乗り出して講義に耳を傾けた。

講義の終盤、光がテーマの課題が出ると、緑や紫色のクリアファイルを丸めてレンズを包んだ。鹿児島の“友だち”に囲まれ「みんなのおかげで幸せ」。輝く瞳でファインダーをのぞいた。

set-CloseUp2

西本 喜美子さん
プロフィール

1928年生まれ、92歳。農業指導をしていた父が住むブラジルサンパウロ州で生まれる。小学2年で帰国。戦後、美容師の免許を取って美容室を開業。27歳で結婚、家事や3人の子育てに専念した。72歳で長男の和民さんが主宰する写真塾「遊美塾」に通い始め、自撮り写真が国内外で話題に。2017年から1年間、アメリカのソフトウェア会社「アドビシステムズ」の広告塔としてアートディレクターを務め、18年から1年間、通信販売カタログ誌「通販生活」のイメージキャラクターとして表紙やテレビCMに登場した。

今これに夢中です
「友だちと過ごす時間」

写真展や写真塾で友だちができるのがうれしいです。全国に、写真でつながったたくさんの友だちがいるんですよ。5歳の幼稚園生の友だちもいます。若い皆さんと一緒にいると、考え方も若くなり元気になります。会えないときもメールのやり取りを楽しんでいます。

写真塾「遊美塾」

鹿児島市で定期開催。受講生は随時募集中。詳細や受講申し込みは、
HP/写真塾「遊美塾」から。西本喜美子さんの参加は不定期

 

この記事のシリーズ Series of this article

Close up

鹿児島で働く女性たちを紹介しているFelia!の『クローズアップ』。いろいろな職場で輝いている彼女たちの姿や、これまでの足取りをご紹介します。

記事一覧を見る

こちらの記事もどうぞ