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黒酢は琥珀色に輝く…江戸時代後期から伝統製法を守り続ける匠の技

坂元醸造「黒酢の仕込み中」

坂元醸造の「黒酢の仕込み」

愛情を注ぎ、子育てのように見守る…

9月、トンボが飛び交う福山の壺畑では、黒酢の仕込みが始まっていた。

4人一組になり、米こうじ(混ぜこうじ・振りこうじ)、蒸し米、地下水の3つの原料を順に壺の中へ投入する(=トップ写真)。

「最後に入れるふたの役割をする振りこうじは、水に浮かせる作業が難しい」と醸造技師の坂元宏昭さん。入社して24年、約52,000壺に愛情を注ぐ。

黒酢造りに使う壺は、薩摩焼や信楽焼など種類はさまざま。特注品で容量は54リットルと決まっている。

坂元のくろず「壺畑」

坂元のくろず「壺畑」

陶器の壺には、長く使い続けることで微生物が住み着き、その活動が原料の発酵につながる。「それぞれ異なる表情を見せるところがかわいい。子どもを育てるように成長を見守っている」。五感を使って状態を確認する見回りと、熟成を促す攪拌作業が醸造技師の日課だ。

壺畑と桜島を望む館内のレストランでは、黒酢を使った料理を提供する。店長の山田賢吾さんは「数日で造る酢とは違い、1年以上手間暇かけて造る黒酢のコクやまろやかさは、料理のおいしさを引き立てる」。コップに注いだ5年ものは、見事な琥珀色に輝いていた。

坂元のくろず「壺畑」情報館&レストラン「彩りランチ」

彩りランチ

レストランで味わえる「彩りランチ」(1,980円)は、メイン料理、デザート、ドリンクが選べる。人気のメイン料理は酢豚。「黒酢を使えば揚げ物もあっさりといただける」と山田さんは勧める。

坂元のくろず

左から順に半年、1年、3年熟成の黒酢

上の写真は左から順に半年、1年、3年熟成の黒酢。熟成が長くなるほど濃くなる琥珀色から、1975年、会長の坂元昭夫さんが壺造りの米酢を“黒酢”と命名した。

3つの原料だけを使い、1つの壺の中で発酵、熟成まで行う製造方法は、江戸時代後期からこの地域だけで受け継がれてきた。山と海に囲まれ、冬は暖かく、夏は涼しい気候。交通の要衝として知られた、福山港に集まる米や薩摩焼の壺、良質な地下水と、必要なものが福山にはそろっていた。

坂元のくろず「壺畑」

抱えるのは、仕込みに使う振りこうじ

現在、福山には7カ所の醸造所がある。昔から変わらない郷土の景色は、訪れる者を魅了し続けている。

坂元のくろず

売店で販売する黒酢

坂元醸造(坂元のくろず「壺畑」情報館&レストラン)

 

よかもんのススメ…

Kurozu Farm CAFE AND MARKET
くろず・ふぁーむ カフェ・アンド・マーケット

「Kurozu Farm」は、健康のために飲む黒酢というイメージを大切にしつつ、もっと若い年代層の日常生活に取り入れてもらおうと、坂元醸造が新しく作ったブランドだ。同ブランドの商品と、黒酢を使ったドリンクやデザートがそろうカフェは2013年、鹿児島甲南高校前にオープンした。

Kurozu Farm「パイナップル小松菜の黒酢スムージー」と「フルーツサンデー」

パイナップル小松菜の黒酢スムージーとフルーツサンデー

人気のメニューは「パイナップル小松菜の黒酢スムージー」(450円・税別)。店員の川尾まいさんは「初めての方でも飲みやすい、まろやかですっきりした酸味」。

写真右は1年熟成の黒酢を練り込んだソフトクリームを使ったフルーツサンデー(右・税別380円)だ。

黒酢を使った調味料や香辛料、ピクルスやジャムなども豊富にそろい、料理のレパートリーがぐっと広がる。贈り物にも喜ばれそう。

Kurozu Farm CAFE AND MARKET

カフェスペース

Kurozu Farm CAFE AND MARKET

  • 鹿児島市上之園町21-15[MAP
  • TEL:099-204-9511
  • 営/10:00~19:00
  • 休/12/31~1/2
  • HP/Kurozu Farm
  • @kurozufarm

 

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