
大人になって改めて気付く、両親と故郷の深い愛情。思いをつなぎ、広める歌を届けたい…
◆ON “歌を通じて奄美の文化を発信”
2015年10、11月のNHK「みんなのうた」放送曲に採用された「目をとじても」が同年11月11日にリリースされ、放送終了後にたくさんのリクエストをもらい再放送されました。大人になって気付く親の恩、無償の愛情を描いた曲で、いつも両親のことを思いながら歌っています。
聴いた人から「親の愛の深さを考えた」「亡くなった親を思い出した」などの感想をもらい、多くの人と感動を共有できる曲に出合えたことに感謝しています。
高校1年のとき、2年先輩の元(はじめ)ちとせさんが歌う島唄を聴き衝撃を受けたのをきっかけに島唄に魅了され、奄美随一の唄者・坪山豊さんの指導を受けました。琉球大学進学後は、若い唄者が珍しいこともあり島唄のイベントに呼ばれることが増え、そこでレコード会社の人に声を掛けられ卒業後に上京しデビュー。
はじめはプロになるとは思っていませんでしたが、沖縄の人が音楽に限らず自分たちの文化を積極的に外に向けて発信しているのに対し、歴史的背景もあるのか奄美の人はせっかくの素晴らしい自然や文化をあまりアピールしていないのはもったいない、奄美の文化を受け継ぐ者として自分にできるのは、歌を通して発信していくことだという思いが後押ししました。
中 孝介(あたり・こうすけ)さん
- 歌手
1980年生まれ、奄美市出身。琉球大学卒業後、2006年「それぞれに」でデビュー。
07年、3枚目のシングル「花」が大ヒットしオリコンデイリーシングルチャートで11位にランクイン。
13年4月には、奈良県吉野市・金峯山寺蔵王堂と岩手県平泉町・毛越寺で自身通算5~6回目となる世界遺産でのコンサートを実施。14年、大ヒットした台湾映画「KANO」の主題歌を担当。
「地上でもっとも優しい歌声」と称され、日本だけでなくアジア全域に活動の場を広げている。
◇OFF “奄美に住み続ける理由”
デビューから10年たちましたが、今でも生活の拠点は奄美大島です。仕事で島を離れているときは分刻みのスケジュールで動きますが、島にいるときは完全にオフモード。海や川で泳いだり、キャンプをしたりと自然との触れ合いを楽しみます。
周りの人も特別扱いしないので、一人の人間としてフラットでいられ肩の力が抜けて楽です。小さなコミュニティーだけに人間関係が密で窮屈な面もありますが、良いところも悪いところも全てひっくるめて大好きな故郷です。
どんなときも変わらない大きな愛情で迎えてくれる家族や故郷に支えてもらいながら、いつか自分も同じように愛を注ぎ、誰かを勇気づけられるような人になれたらと思っています。
10問10答
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Q大事にしているものは?
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A楽器(三味線、ピアノ、フルートなど)
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Q愛読書は?
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A阪急電車(有川浩著)
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Q最近気になったニュースは?
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Aミカンコミバエ問題(奄美のタンカン、パッションフルーツなどに侵入)
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Q仕事の息抜きにすることは?
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Aジムで体を動かす。自転車に乗る。バレーボール、料理を作る
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Qよく聴く音楽は?
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A島唄、昭和歌謡、70、80年代のブラックミュージック
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Q体調維持のために注意していることは?
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Aうがい! とにかく風邪をひかない
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Q座右の銘は?
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A因果応報
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Q最近のマイブームは?
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Aこしあんの大福
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Q鹿児島で好きな場所は?
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A加計呂麻島、桜島(南日本新聞社社屋から見る景色)
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Q10年後の自分は?
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Aダンディーなおじさんになりたいです(笑)