新聞活用で就活・ビジネスを一歩リード

前回は、新聞を活用することが就活を進めていく上での大きなカギになることをお話ししました。就活だけではなく、新聞はビジネスにも役立ちます。今回は、新聞記事をストックして活用する具体的な方法について説明します。

新聞切り抜きスクラップブックで情報活用!

新聞は多いときには1日40ページもあります。これをすべて読みこなして活用するのは至難の業ですし、実際、そんなことは新聞社の社員だってしていないでしょう。活用するためにはポイントがあります。

新聞は、毎朝、自宅や会社に配達され、読まれた後は古紙回収に出されるのが普通です。このプロセスそのままでは、確かに記事を読んだかもしれませんが、活用したことにはなりません。まずは、気になる新聞記事をストックすることから始めましょう。

読んだ新聞の中から気になる記事を切り抜きます。文房具屋さんには「スクラップブック」というものが売っていますから、それを買ってきて記事を貼って保存していくのです。

スクラップブックにはいろいろなタイプのものがあります。就活中の学生や若いビジネスパーソンであれば、各ページの台紙が抜き差しできるルーズリーフ式のものがいいでしょう。大きさはA4版がよいと思います。

その日の新聞から記事を切り抜き、それを台紙の右ページに貼って、余白に「南日本○○○○年○○月○○日(〇曜日)○面」と書いて、スクラップブックにとじましょう。作業としてはこれだけです【写真1】。

ただし、1枚の台紙に貼るのは、どんなに小さな記事でも一つだけにします。裏のページにも貼ってはいけません。そうしないと、あとで台紙を抜き差しして、スクラップブックをテーマごとに編集することができなくなります。

就活生が切り抜くべき記事は?

切り抜くべき記事は、目的によって決まってきます。

就活をしている学生であれば、まずは、自分が志望する企業の記事を切り抜くことが必要でしょう。志望する業界に関連する記事を切り抜いていけば、それがそのまま業界研究になりますね。

また、就職試験では時事的な知識が問われることがあります。その対策として役に立つのは、記事に時々付いている「ズーム」という用語解説です【写真2】。「ズーム」を見つけたら、その記事は必ずスクラップすることにしましょう。そうすると、自作の時事用語集を作ることができます。

ちなみに、本屋さんに行くと就活対策用の時事用語集を売っています。これらの本を活用することがダメなわけではありませんが、新聞を毎日スクラップして自分で用語集を作る方が、圧倒的に自分の頭に残ります。人間の脳は、他人がまとめたものを詰め込むのには向いていないのです。

ビジネスに役立つスクラップブック作り

若いビジネスパーソンであれば、真っ先に切り抜くべきなのは、ライバル社の動向を報じている記事でしょう。「敵を知り己を知れば百戦あやうからず」と言います。ライバルを分析し、その先を行く戦略を立てるために、新聞スクラップは必ず役に立ちます。

地方自治体の政策を報じる記事も役に立ちます。自治体は企業に対してさまざまなサポートを提供している場合があります。また、首長(知事や市町村長)の発言は、これから具体化される援助策やビジネスチャンスの「先触れ」になっている場合があります。

予算に関する記事も重要です。きちんとスクラップしておき、予算編成の時期が来たら過去の記事を参照することも役立ちます。企業対象の補助金を獲得したりビジネスに役立つアドバイスを得たりするためにも、自治体の動向には注目しておきたいものです。

鹿児島大学准教授・渡邊 弘(わたなべ・ひろし)さん
渡邊弘・鹿児島大学准教授1968年、名古屋市生まれ。横浜国立大学教育学部卒業、同大学大学院教育学研究科修了。修士(教育学)。
2016年4月から鹿児島大学共通教育センター准教授。
専門は、憲法学、法教育論、司法制度論。15年から17年に実施された大学入試センター試験の出題者。

このシリーズについて

ワタナベさんの情報活用術
ほしい情報をうまく入手し活用するための方法を鹿児島大学の渡邊弘准教授が解説します。

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