笠沙の鮮魚、当日配送が強み /有限会社ヤマチョウ

有限会社ヤマチョウ
鮮魚を仕入れるため競りに参加する長井洋将さん(右)=南さつま市の笠沙町漁協

有限会社ヤマチョウ(南さつま市)

東シナ海に面し、漁場が豊富な南さつま市の笠沙町で鮮魚の仲買・水産加工業を営む。地元で水揚げされる約150種の魚介類のうちカンパチやブリなど年間約100種を扱う。朝、仕入れて取引先へ配達する。

向かうのは鹿児島市を中心に県内の居酒屋やすし店など約20店舗。県外発送は取扱量の1割だ。2代目の長井洋将さん(37)は「うちでは県外を相手にするのは難しいが、鮮度では負けない。当日の魚をその日に届けられるのは強み。新鮮ならすぐ使えるし、寝かせてもいい。取引先の選択肢が増える」と話す。

ただ、注文の魚種、量を確保できない日は少なくない。配達先の鹿児島市の市場で仕入れたり養殖物を勧めたり、できる限りのフォローをする。最近の店舗は効率化で倉庫の規模を縮小する傾向が強く、一次加工やおろして真空パックで配達してほしいなど細かな注文も増えた。店のスタイルに合わせて個別対応ができるメリットを生かし、信頼を築いている。

1994年、長井さんの父、修さん(66)が海岸線の国道226号沿いで創業した。自社店舗にはいけすがあり、活魚目当ての顧客が多い。15年前に店を増設し、加工品開発にも取り組む。照り焼き、西京焼きなど約50種類を商品化。ガーリックやバジルソースなど味付けも多彩だ。近年ふるさと納税返礼品の需要が高く、取扱量の3割に上る。

魚食普及へ手応えはあるが、高齢化で地元の漁獲量は10年で半減した。鮮魚店も減り町内唯一の店になった。「生産者がいないと成立しない商売。ともに利益が上がるよう、鮮度を売りに県内の販路を広げたい」と意気込む。

(南日本新聞2020年7月5日付掲載)
有限会社ヤマチョウ
資本金1000万円。社員7人(パート含む)。メカジキやバショウカジキが原料の魚の薫製「かささの生はむ」は、3年前の市特産品コンクールで金賞を受けた。
住所:南さつま市笠沙町赤生木346-31[MAP

このシリーズについて

かごしま会社探訪
きらりと光る鹿児島県内の中小企業を訪問し、あまり知られていない素顔を探ります。日曜日付南日本新聞の経済面に掲載しています。

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