新聞はなぜ就活に役立つの?

前回のこのコラムでは、「信頼できるメディア」、そして「あとから活用できるメディア」としての新聞の価値についてお話ししました。今回は、就職試験を目前に控えた若いみなさんにとって「就活に新聞はなぜ役立つか?」ということについて説明します。

面接の試験官世代は新聞を読んでる!

このコラムを読んでくださっている若い人たちにとってみれば、新聞は少し縁遠いメディアだと思います。【グラフ1】を見てみましょう。これは、NHKが5年おきに実施している国民生活時間調査の結果です(2015年)。これによれば、新聞を平日1日あたり15分以上読んでいる人は、10代で4%(男)・3%(女)、20代でも8%(男)・3%(女)です。これでは、「自分の友達には新聞を読んでいる人なんて1人もいない」というのももっともですね。

でも、もう一度、よ~く【グラフ1】を見てください。50代では40%程度、60代では55%程度の人が新聞を読んでいます。そして、就職活動をしている若いみなさんが面接試験で出会うのは、多くの場合、この世代の人たちです。あるいは、若いビジネスパーソンが、自社の商品や企画をお客さま企業に売り込むときに最後の決定権を握っているのも、相手の会社の重役や社長、つまり、この世代の人たちだと言えるでしょう。

この世代の人たち(私もそうです)がみなさんぐらいの年齢だった頃はインターネットはありませんでした。世の中のことを知るためのメディアで最も重要な位置を占めていたのは新聞です。家に届いた新聞を出勤途中の電車の中で読み、自社やライバル会社に関係する記事を見つけたら切り抜いて同僚や上司と共有する。毎日の仕事をそうやって始めていたのがこの世代です。

そういう世代の人たちは、今の若い人たちのことを「新聞さえ読んでいないなんてダメだなあ」と思っています。だって、私がそう思っていますから(笑)。就活の面接や商品企画のプレゼンの時には、みなさんのことをそう思っている中高年の人たちと話をしなければなりません。その時に、さりげなく「先日の新聞にも載っていましたが……」と話を切り出せば、「お、若いのになかなかデキるな」と思ってもらえること請け合いです。しかも、あなたのライバルは、以前のあなたと同じように新聞を読んでいないのです。この時点で、あなたは一歩リードです。

新聞を読まない鹿児島県民に勝利の女神は微笑むのか?

もう一つ、「うぃくりっく」を読んでいるみなさんにとって衝撃的なデータを紹介しましょう。【グラフ2】は、南日本新聞社をはじめ全国の主要な新聞社が加盟している日本新聞協会が、都道府県別の1世帯あたり新聞購読部数を調べたものです(2018年10月)。なんと、鹿児島県は全国最低。つまり、日本で一番新聞を読んでいないのが鹿児島県民なのです。

みなさんの中には、就職の際に県外の企業を選ぶ人もいるでしょう。反対に、県外から鹿児島の企業に就職しようとやってくる人もたくさんいます。みなさんの本当のライバルは、実は身近な友達ではなく、県外の人たちかもしれません。就職してからのことを考えても、仕事が鹿児島県内だけで完結することは、今では考えにくくなっています。県外の企業と激しい受注競争をしている会社も、鹿児島には数多くあるのです。

【グラフ2】を見れば、県外のライバルたちは、みなさんよりも新聞を読んで、世の中のことに詳しくなっていることがわかります。みなさんはそういう人たちと、仕事の面で勝負することになります。

さあ、もうこれで、就活にあたって新聞を読まないという選択肢はなくなりましたね。「でも、新聞をどうやって活用すればいいか、よくわからないんだけど……」。大丈夫。次回からのこのコラムでは、新聞の具体的な活用法をお教えします。

鹿児島大学准教授・渡邊 弘(わたなべ・ひろし)さん
渡邊弘・鹿児島大学准教授1968年、名古屋市生まれ。横浜国立大学教育学部卒業、同大学大学院教育学研究科修了。修士(教育学)。
2016年4月から鹿児島大学共通教育センター准教授。
専門は、憲法学、法教育論、司法制度論。15年から17年に実施された大学入試センター試験の出題者。

このシリーズについて

ワタナベさんの情報活用術
ほしい情報をうまく入手し活用するための方法を鹿児島大学の渡邊弘准教授が解説します。

イベントカレンダー

企業説明会・オープンキャンパス等のイベント情報をご紹介

<< 2019年11月 >>
28 29 30 31 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 1